2007年11月11日日曜日

Interview with - 倖田來未

昨年夏にリリースされ大ヒットを記録した『4 hot wave』。この夏も、それに負けないぜいたくなシングル『FREAKY』をドロップアウト。収録されているのは、疾走感あふれるロックチューンからキャッチーなポップスまで……、違う色を持った4曲。幅広いサウンドを乗りこなす彼女の歌声と新しい挑戦による“衝撃”の数々に注目!!


■昨年夏にリリースされた『4 hot wave』も4曲収録でしたよね。今作はそれを意識して同じ形式にしたんですか?


倖田:今回は4曲A面ではなく、『FREAKY』を軸にしてカップリングという気持ちで残りの楽曲を決めていきましたね。収録曲を選ぶ段階でいい楽曲が4曲そろってしまったので、「じゃあ、全部入れちゃおう!!」と(笑)。周りからは「次まで取っておいたら?」なんて声も上がったんですけど。倖田來未は出し惜しみするような女じゃない、常に“今”のベストを尽くす女だぞ、と。“全部入り”で勝負しました!!


■『FREAKY』はパワフルなロックチューンですね。

倖田:これは、デモを聴いた瞬間に「カッコイイ! アガる!」って即決した曲なんですよ。この4曲のなかでも、いちばん“倖田來未らしい”サウンドだと思う。リリックには“つらい状況から抜け出そう”っていう前向きなメッセージが込められています。


■倖田さんも“つらい状況から抜け出したい!”ともがくことはあるんですか?

倖田:もちろん、ありますよ~!! そんなときはね、自分ひとりで考え込まないようにしていますね。友だち、家族、スタッフ……周りにいる人に相談します。また、落ち込んだり心がモヤモヤしたときは、ひたすらガールズトークですね!! 言いたいコトを全部吐き出す!! 自分のなかにため込まず口に出すことで、出口が見えてくるんです。


■2曲目の『空』はガラリと優しいサウンドに変わりますね。

倖田:これは“聴く人の心をあたためたい”って考えながら作った曲なんですよ。今の時代、頑張ってる人がすごく多いと思うんですよね。なかには、泣きたいときに泣けない、つらい気持ちを押し殺して作り笑いをする……そんな人もたくさんいると思う。そんなすべての頑張ってる人に“大丈夫、わかってるよ”って声をかけてあげたくて作った曲なんです。


■3曲目の『Run For Your Life』では、また新しいサウンドに挑戦していますね。

倖田:新しいサウンドに挑戦してみたかったんですよね。この曲には、「人によって、良いところも悪いところも好きな男の子のタイプだって違う……。それぞれが“自分だけの魅力”を持っているんだから、“自分らしく”恋愛してほしい」……そんな思いがこもっています。


■ラストの『girls』は今までにない“振り切れたノリの良さ”がいい意味で衝撃的でした。

倖田:この曲は、ある意味“冒険”。サウンドもリリックも。いつもリリックを書くときは、日記みたいに伝えたいことをウワッと文章にして、それを曲に合わせて削っていくんですけど。今回は、女友だちとガールズトークしながら“夏っていえば海だよね?”なんて“夏”を彷彿(ほうふつ)とさせるキーワードをどんどん出していって。そこから曲を組み立てていったんです。


■その作業は楽しそうですね~(笑)。

倖田:もうね、夏の思い出話から恋バナまで……脱線しまくり(笑)。そんな環境で作ったので。ガールズトーク中は「今度、彼に会ったらこう言ってやるわ!!」なんて強気な発言で盛り上がるけど、いざ彼を前にすると……言えない(笑)。そんなリアルな乙女心も満載です。


■今作をとおしてのコンセプトはあるんですか?

倖田:“夏らしいものを”という思いはありました。泣きのバラードや、黒っぽいビジュアルの印象が強いせいか、倖田來未って“冬”なイメージが強いみたいなんですよね。それを変えたいなって思いました。


■毎年恒例の“a-nation”はじめ“LIVE EARTH”……この夏はイベント出演も盛りだくさんですね。アッパーチューンが多いのは、それを意識して?

倖田:そうですね。ライブで盛り上がる曲を増やしたいっていう気持ちももちろんありました。


■そんなイベントへの意気込みを聞かせてもらいたいのですが。

倖田:“a-nation”は1回目からステージに立たせてもらっているイベント。回を重ねるごとに、曲の構成、衣装……すべてのこだわりがどんどん強くなってきていますね。今回も力が入っているので期待していてください!


■“LIVE EARTH”はまた違ったタイプのイベントですよね。

倖田:環境をテーマにしたイベントなので、軽々しく参加はできないな、と。環境への配慮、環境への自分なりの考えをまとめるために、事前に本やインターネットで勉強したんですよ。そして、深刻な環境問題に触れれば触れるほど“アーティストとして何か貢献できれば”って強く考えるようになりました。歌をとおしてひとりでも多くの人に“遠い未来というのは私たちにとって無責任なものではなく、今このときから責任を感じなければいけないものなんだ”ということを伝えられたらって思っています。


■この夏はイベントに大忙しですが、プライベートな時間を楽しむことはできそうですか?

倖田:昨年の夏は、時間を見つけては愛犬のラムをつれて湘南・江ノ島方面によくドライブに行ったんですよ。今年も海には行きたいですよね。ラムと行くのもいいけど、女同士で出陣して、海の家で焼きソバをつつきながらガールズトークもアリかな(笑)。


■ドライブはよくするんですか?

倖田:大好きです! 友だちと家でまったりしてるときも“退屈だし、行っとく?”ってノリでドライブに行くことも多々。こないだも、1日オフをいただいたので、その前日の夜から友だちと箱根の温泉まで車で行ってきたんですよ。1泊2日で。観光地をまわったり、温泉に入ったり……かなりリフレッシュできました。


■今作のビジュアルでは、バッサリ切った金髪のショートカットに驚かされました。

倖田:私のなかでは“髪型”もまたエンターテインメントのひとつで。髪型でもみんなにサプライズを届けたいと思っていたんですが、それを今やっと実現することができました。金髪のショートにしたら“ファッションの幅が狭まるんじゃないか”って不安があったんですけど、いざやってみたら逆に幅がすごく広がった。エレガントなドレスも、マニッシュスタイルも、ブレイクデニムを腰ではくようなボーイズスタイルも……意外と何にでもハマるんですよ。また、小麦色の肌と金髪にカラフルな色がすごく似合うんですね~(笑)。ロスでカラフルなアイテムを大量に入荷してきました!


■髪型もファッションもすごく倖田さんに似合ってます!

倖田:ありがとうございます! 自分でも気に入っているんですよ。


■そのビジュアル、そして楽曲からも“自分らしさを大切にしようよ”というメッセージが伝わってきたのですが。

倖田:そうなんです。実は、今作には“自分らしくっていいじゃない。恋愛も人生も自分に合った歩き方をしようよ”っていうメッセージが込められているんですよ。“こうじゃなきゃいけない”って狭い世界に自分を縛って苦しむことって多いと思うんです。例えば、ボーイッシュなスタイルをしたほうが輝く女のコですら“巻き髪と白いワンピースじゃなきゃモテない”と思い込んでいたり。他人に押し付けられた生き方を歩もうとするがゆえに苦しんだり……。思いきって1歩外に出てしまえば、広い世界が広がっている。そこに気づき、そして飛び出そうとする勇気を持ってもらえたらうれしいですね。


■倖田來未さんにとっての“自分らしさ”とは何ですか?

倖田:常に“素直であること”ですね。自分が間違っていたら素直に謝るし、楽しいことがあれば大きな声で笑う。悔しいことや悲しいことがあったら人目を気にせず泣くことだってあるんですよ。自分自身にうそはつかないのが“私らしさ”なのかな。まあ、うそをつかないっていうか、つけないんですけどね(笑)。