最新アルバム『BRAVE/ブレイヴ』が大ヒット中のジェニファー・ロペス。2007年は映画のプロデューサーとして、『エル・カンタンテ』と『ボーダータウン』の2本を手掛け、初のスペイン語アルバム『ジェニファーの愛の11カ条~コモ・アーマ・ウナ・ムヘール』も制作と、プエルトリコ系の両親を持つ自らのアイデンティティを意識した活動に専念。そんなプロセスを経て完成させた最新作だけに、新境地の表現に成功している。また、夫であり歌手のマーク・アンソニーとジョイントで実施している初の全米ツアーも好評だ。
初日の9月28日(アトランティック・シティ)の公演、すごく盛り上がりましたね。
ジェニファー・ロペス:サイコーのファースト・ナイトだったわ。みんなとってもハッピーで、終了後朝の5時まで盛り上がったほど。マーク(マーク・アンソニー)のパートから私のパートまで、ずっと演奏してくれたバンド・メンバーもすごくエキサイトしていた。「オレたち、やり遂げたぜ」なんてね。
最初だったから、ナーバスになったでしょう。
ジェニファー・ロペス:それが不思議なの、とっても面白くてね。コンサート中に着替えのためにドレッシング・ルームに戻ると、なぜかとても落ち着いていてね。マークが私に「彼女、少しもあがってないよ」なんて大笑いしたりして。納得出来るまでリハーサルしていたし、マークのソロ・パートの時、ステージ・サイドで彼の歌を聴いたり観たりしていたので、すごく落ち着いて自分の歌や踊りに集中出来たのだと思う。正直、ツアー生活っていうのは楽じゃない。でも、嬉しいわ。マークと一緒に回っているから。一緒にツアーするなら彼ほど最高なパートナーはいない。本当にすごいもの。彼からたくさんのことを学んでいるのよ、毎日ね。私たちの人生の中で、今この時点でツアーが出来るっていうのはとにかく素晴らしいわ。今、魔法みたいな時なの。
ニュー・アルバム『BRAVE/ブレイヴ』ですが、2人のジェニファーが向き合うジャケットのイメージが強烈ですね。
ジェニファー・ロペス:私自身だけに向き合うだけでなく、リスナー全員が自分に向き合ってほしいというメッセージを込めてみたの。彼も彼女も彼ら全員も、何に向って何をやるのかってね。もちろん、私自身が何をすべきかも提示しているわ。ジャケットのイメージを提案したのは私自身。今回のアルバムでは、歌詞など色んな面で自分が納得出来る表現を追求してみた。そんな過程で「ブレイヴ」というキーワードが明確になってきて、そのものずばりの曲も生まれてタイトルになった。アルバムを聴いてくれる人たち全員への勇気を提示してみたの。
その「ブレイヴ」の由来は?
ジェニファー・ロペス:これまで私生活でも仕事でも辛いことも経験してきたけど、アルバムを作ってみて、今はそれを乗り越えた場所にいるんだと気付いたの。そして、そんな経験をしても、まだ希望もあるし、信じることも出来る。私にまだ愛が残ってる、って信じることが出来たの。それってね、私はすごく勇気あることだって思うのよ。このアルバムの中の曲はどれもそれを投影していると思うわ。だから『ブレイヴ』っていうタイトルにしたの。
素晴らしい曲がずらりフィーチュアされています。
ジェニファー・ロペス:アルバムを完成させるために、2年半ぐらいかかっているのよ。その間、スペイン語のアルバムもレコーディングもしているわ。今回の新作の特徴は、長い時間をかけて曲を厳選したことね。一つのアルバムにしてみて思ったのは、ポジティブであり、決してくじけなかったり、愛にひたむきであったり、人と人との関係をリスペクトしたりするような、リンクする様々なテーマの曲が集まったこと。私のメッセージを強く投影することが出来たわ。
新しいタイプのサウンドからボーカル表現にぴったりの正攻法な曲まで、とにかく盛り沢山な内容ですね。
ジェニファー・ロペス:当初は前から付き合いがあるピーター・ウェイドとミッシェル・ベルと共同で曲作りをしていたのだけど、もっとダンサブルな曲とかアップ・テンポの曲を入れようなんてしている間に、新しいプロデューサーの曲も取り入れてみたの。もちろん、愛とか人間関係を描いた歌詞も重要な選択ポイントだった。とにかく、すごく楽しいレコーディングだったわ!
音楽、映画の分野以外に、香水やファッション業界でも活躍していますね。
ジェニファー・ロペス:もう何年も前、私のマネージャーが提案してくれたの。私が他にどんなことが出来るか、いろんな可能性を見いだしてくれたのよ。彼にはファッション・センスがあるし、あれも、これもってね。それで、新しいことにいろいろチャレンジするための機会を探してくれたの。そうやって、ポップ・アーティストや女優として以上に、枠を広げるための道を切り開いてくれたわけ。彼はそういう意味で、先見の明があった人なのよ。私自身クリエイティブなアイディアに溢れていたし。そうやって始まったのよ。彼がキッカケを見つけてくれて、私はその中から、自分で、本当になにか提供できるものがあるなって思える物だけを選んでやることにしたの。ファッションに関しては、自分なりのスタイルがあると思っていたし、自分にとっても、新しい形で自分の創造力を表現出来るって思ったし。フレグランスにしても同じこと。提案はされても、興味なかったものもあるわ。「あなたの人形を作りましょう!」とか。それはないわね。面白そうじゃなかったわ。クリエイティブではないし、達成感も得られないと思ったから。(笑)
今回の全米ですが、ぜひ日本でも再現してほしいですね。
ジェニファー・ロペス:もちろん、望むところよ。いつ実現出来るか言えないけど、日本のファンにはずっとサポートしてもらっているし、私自身すごく好きな国だから!
2007年10月18日木曜日
Interview with - Jennifer Lopez