2007年12月9日日曜日

interview with - DJ OZMA

 2007年も精力的に活動中のDJ OZMAが、今年2枚目のシングル『E.YO.NE!!』 をリリース。今作は、彼がリスペクトするDJ DOC(韓国で国民的な人気を誇るヒップホップグループ)の1997年の楽曲『DOCと踊りを』をカバー。心地良いテンポ感に、ドゥーワップな合いの手が からみ合う、キャンディーのように甘くキャッチーなポップ感。もちろん、ウエディングソングとしても、披露宴&二次会パーティーなどで重宝されるであろう 愛すべきポジティブなラブソングに仕上がっている。


■今回、ついに「パワープッシュ」ということで、Yahoo!ミュージックで大特集です!!

DJ OZMA:ありがとうございます!!


■っていうかメチャクチャ忙しそうですよね?

DJ OZMA:そうなんですよ、気がついたら(笑)。


■それこそYahoo!ミュージックでは、昨年2月の台湾でのデビュー記者会見から、韓国ライブやツアーまで追っかけていて、そして年末の騒動がありつつ。かと思ったら今年もずっとレコーディングしてたり、続々とリリースや全国ツアーが控えてるそうじゃないですか?

DJ OZMA:去年は“みんなもっとアゲアゲで遊ぼうぜ!”ってことを言いたくて始めたプロジェクトだったんですけどねー。意外と年末ま で忙しくなっちゃって。楽しんでるふうなパブリックイメージを守るのに必死で(笑)。なので、2007年は早めに準備をしておこうって感じで、去年のツ アーが始まる前からレコーディングを始めてたんです。で、年末年始もずーっとやってて。だから、ほぼアルバムが出せるくらい曲もあがってるんですよ。だか ら今年は余裕だろうと思っていたんですけど、なかなか大変ですね(苦笑)。


■昨年のツアーでも『疾風迅雷~命BOM-BA-YE~』、『E.YO.NE!!』と『マッチ棒』やってましたもんね。

DJ OZMA:そうなんですよ(笑)。去年のツアーでは、アルバムに入ってない曲をたくさんやりましたからね(笑)。今は、もう一度形にし直しているところですね。


■で、完成した『E.YO.NE!!』なんですが、ドゥーワップなコーラスがすごく楽しいパーティーチューンですね。しかもウエディングソングになり得る、ハッピーなラブソングという。すてきです!!

DJ OZMA:元曲をやっているDJ DOCの『DOCと踊りを』という曲が好きなんですよ。振り付けもかわいかったので、いつかやりたいなって思ってたんです。で、去年のツアーのときにト ラックを作って。歌詞は韓国語の歌詞を空耳で聴き取って書いてるんですよ。で、結局意味のわからない文章になるんですけど、そのなかでどこを大事にするか を物語として考えていくんです。今回の場合“チュウチュウしてまたチュウしよう♪”って聴こえるところがいちばんインパクトがあって。で、いろいろ考えて たらマッチ(近藤真彦)の『ハイティーン・ブギ』みたいになってきて(笑)。そしたら、なんか“お前のためならツッパリもやめるぜ!”的なラブソングになって。だから“平成の『ハイティーン・ブギ』”って呼んでください(笑)。


■最近の音楽って、ジャンル的なことでけっこう細分化されちゃってるじゃないですか? そんななか、『E.YO.NE!!』は老若男女が楽しめる、リスナー間の音楽壁をぶち壊すマジカルな楽曲に仕上がりましたよね?

DJ OZMA:自分たちもカバーして思いましたけど、めったにこんな曲はないですよね。やっぱりDOCはすごいなって。 『E.YO.NE!!』を聴いてくれた人から「けっこう今回は歌謡曲っぽいですねぇ」って言われるんですけど、そうかな~? って思う。こんな歌謡曲ない よね!? みんなにこの曲がどういうふうに届くかっていのは興味ありますねぇ。今の時代、どういうふうに受け取られるんだろうなぁって。


■そういえば、『アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士』や『純情~スンジョン~』、『疾風迅雷~命BOM-BA-YE~』 のようにカッコ良くアゲていくチューンと、『My Way』、『Together』、『E.YO.NE!!』みたいに自身の心情をストレートにメッセージとして伝えていくチューンのふたつのパターンがあり ますよね? で、思ったのが、飾らずに愛や友情を表現する楽曲のほうが、実はDJ OZMAが伝えたいメッセージとして本質を突いているんじゃないかなと。

DJ OZMA:そうですね。自分で振り返っていつも思うのは、おれって案外まじめなんだなぁって(笑)。だから自分的には言葉で伝えられ る、歌詞書くのがすごく楽しいんですよ。今もあこがれ続ける職業、作詞家の先生の気分ですね。自分以外のアーティストに歌詞を書く機会はないんですけど、 今小さく夢をかなえてるとこですね(笑)。


■『マッチ棒』の歌詞とか、青春の1ページを少年マンガのように秀逸に切り取っていて良かったですよ。

DJ OZMA:ありがとうございます(笑)。


■歌詞とか男性アイドルといわれてる方に提供してみたらいいのに。

DJ OZMA:『マッチ棒』は、歌謡ロックテイストだったんで、少しイナタイ(※編集部注)んですけどね。シブがき隊とかに提供したいですよね(笑)。


■けっこう今のチャートのポップスとかって流行のルールにのっとった決まり言葉が目立つんですけど、DJ OZMAは独特な言葉づかいで、物語の視点もおもしろくってある意味文学的ですらあると思いましたよ。

DJ OZMA:『マッチ棒』は、元の曲がノラジョ(韓国でカルト的な人気を誇る異色デュオ)の『ナルチゴ(おれを奪って)』って曲なんで す。サビのフレーズ“ナルチゴ~”を日本語にするにはどうしたらいいんだろうって最初に思って(笑)。そこで“マッチ棒~”って韻を踏んでみたと(笑)。 で、ちょうど地元にマッチ棒ってあだ名の先輩がいたんですね。まあルックスもマッチ棒っぽいんですけど。相手のハートに火をつけるだけつけといて、自分は 燃え尽きるという人だったんです。


■うまいなー。物語になりますもんね。

DJ OZMA:そんな思いも混ぜて書いたんですよ。


※編集部注 / 田舎くさくて冴えないことや、くだらないこと。音楽ファンの間では、“泥くさい”“ブルージー”“へたうま”といったニュアンスでも使われる


■ちなみに『E.YO.NE!!』は、季節柄ウエディングソングということであり、今の時代的にもジャストな楽曲ですよね。というか、最近結婚ブームというかラッシュですよね。

DJ OZMA:それにしても多いですよ、今年は(笑)。男は新たな勝負に出ようとするときに、家族を作ったりするのかなぁとか考えたりしますけどねぇ。


■結婚ソングって世の中にいろいろあると思うんですけど、そのなかでも特に好きな曲や、気になっている曲ってあります?

DJ OZMA:僕が好きなのは……、全然結婚ソングじゃないんだけど、発想的に『お嫁サンバ』が好きですね(笑)。あの、“結婚すんな”ってテーマがすごいなって。この間、郷ひろみさ んと対談する機会があって、お話したんです。当時曲をいただいて、今まで唯一歌いたくないと思ったのが『お嫁サンバ』だったそうなんですよ(笑)。今でこ そポピュラーになってますけど「“1・2・3バ 2・2・3バ♪”ってホントかよっ」って(笑)。でも当時のプロデューサーに、これが郷ひろみなんだって熱く語られて納得したそうです。でもこれがなかっ たら、アチチの『GOLDFINGER'99』なんてあり得なかったって言ってて。だからそのあとすごく柔軟になれたのはこの楽曲のおかげだという。そういう曲が世の中にインパクトを残し続けてるんだって感動しましたよね。


■それは良いお話ですねー。DJ OZMAは、どんな結婚生活にあこがれているかとかあります?

DJ OZMA:あ~、それはもう『ぽっかぽか』ですよね。漫画原作もあるドラマです(笑)。結婚ってなんていいんだろうって思いました ね。お父さんが優しくて、お母さんも優しくて娘はかわいくて……。そんなお父さんでも時々嫌になっちゃうときがあって。で、のん気でポジティブな奥さんが 励ましたりとか。奥さんも時々ふてぶてしくなっても、だんなが優しくさとしたりね。いいなぁとか思いながら見てましたから。あれは理想像ですよね。


■ほぅー。

DJ OZMA:『E.YO.NE!!』は、ウエディングソングって宣伝打ち出してますけど、これから結婚する人たちだけに聴いてほしいと か、そんな意識は全然ないんです。むしろすべての恋してる人たちに聴いてもらいたいですね。お付き合いして何年もたったけん怠期な人とかにも、“おれもこ んなこと思ってたんだよなぁ”って、帰り道で奥さんに花を1本買って帰ろうかなとか思ってもらえたらうれしいです。けんかしたときとかでも“出会ったとき のことを思い出して水に流そうぜ”とかね。


■そんなホンワカした気持ちを思い起こさせてくれるメロディーを持つ楽曲ですよね。

DJ OZMA:これから付き合うっていうカップルにも、こんなすてきなことが待ってるぜって思ってほしいし。すべての人に聴いてもらいた いって感じです。たぶん世の中的には、もっとせつない曲のほうがみんなの心をつかむのかもしれないですけどねぇ。でもおれって、どうもポジティブになりす ぎてしまうんです(苦笑)。


■しかし、今後リリースが続きつつ、7月から全国ツアー「THANK-TUARY“サンクチュアリ”」までやっちゃうんですねー。

DJ OZMA:そうなんですよ。ホールツアーなんで不安もあるんですけどね。自分たちは、どっちかっていうと小さなキャパでやるほうが 合ってると思うので。だから珍しくナーバスにもなってるんですけど(笑)。でも、ようやくみんなと話しながらここまでやればおもしろくなるんじゃないか なっていうのが見えてきたところです。まぁ、去年のツアーでは回れなかった全国のみんなに、DJ OZMAってどんなやつか見てもらいたいっていうか。不謹慎男がホントはいったいどんなやつなのかをその目で見て確かめてほしいですね。


■全国津々浦々、9月17日の沖縄まで30公演もありますね。

DJ OZMA:旅は好きなんで楽しみですよ。おいしいもの食べて、おいしいお酒を飲んで、いろんな土地のすてきな女の子と会って……楽しんでいきたいなって思ってます(笑)。


■そのツアーでもやられるような楽曲を今レコーディングしてるんですね?(※取材場所がスタジオでした)

DJ OZMA:そうですね、今まさに大詰めです。こんなに録ってどうすんだよってくらい録ってるんで(笑)。ちょっと楽しみですけどね。


■それにしても、2007年前半からすでに半端ない勢いなんですけど、後半の目標ってあったりします?

DJ OZMA:まぁ、できることならゆっくりしたいと(笑)。


■いや、このスケジュールだと無理ですよ(笑)。

DJ OZMA:これまでは、この山のように用意した楽曲のなかから1曲でも当たってくれたら、もうおれたち当分エクアドルあたりに住むん だろうなって思ってたんですけど(笑)。ただまぁ、そんなにうまくはいかないだろうなぁなんて。自分たちの未来がなんとなくわかっちゃったりもしますよね (微笑)。


■ツアーはもちろん、また年末も盛り上げてほしいですね。

DJ OZMA:そうなんですよ。今年はまだまだ楽曲をリリースしていこうと思ってるんですけど、本当にすべてが年末に向けてのプレゼンだと思ってますからっ。


■楽しみにしてます。それでは最後の質問です。6月に行われるという“友人である翔やん”の結婚式で歌ったりはしないんですか?

DJ OZMA:僕は、あの、招待状届いてないんですよ(笑)。それに意外と友人の結婚式って、仕事でタイミング合わなかったりで出られな かったりして。去年も1回くらい行ったんですけど、それは非常にお金のかかった結婚式だったんです。まぁ、芸能人でもここまでやる人はいないだろうってい う。そこでは、案の定ノセられて歌ってしまいましたけどねぇ。……結婚式営業でもしようかな(笑)。


■いや、この『E.YO.NE!!』は、本当にひとり歩きして人気になりそうな気がしますよ。懐かしくも新鮮なクセになる曲です。

DJ OZMA:ぜひ、みんなに楽しんでもらえる曲になればいいなって思いますねぇ。